カスハラ対応マニュアルのテンプレート|13章の構成と各章に書くこと
厚生労働省のマニュアルと東京都条例、2026年10月の義務化を踏まえたカスハラ対応マニュアルの章立て(13章)を公開。各章に必ず入れる要素、話法例の作り方、エスカレーション基準の書き方を解説します。
カスハラ対応マニュアルは、法律が求める「方針の明確化」「相談体制」「対応手順」を一冊にまとめる文書です。ここでは、弊社が実際に企業向けに生成・提供している13章の構成をテンプレートとして公開します。
13章の構成
- 目的:条例・法改正への言及、策定の背景、組織的対応の必要性
- 基本方針:カスハラを許容しない宣言、経営トップのメッセージ、従業員保護の姿勢、社内外への周知方法
- カスタマーハラスメントの定義:要求内容の妥当性と、手段・態様の相当性の2つの観点。該当し得る行為類型。正当なクレームとの区別基準
- 顧客対応の心構え:初期対応の考え方、顧客の権利の尊重
- 相談体制・組織:相談窓口、責任者、研修、再発防止の取組
- 対応手順:初期対応→事実確認→組織としての判断→対応の実行→記録→事後対応。判断の分岐と、対応を打ち切る基準
- 対応話法:丁寧な対応・毅然とした対応・法的措置を示唆する警告の3段階の具体的なセリフ。NGワード。電話・対面・メール別の留意点
- エスカレーション基準:現場→責任者→相談窓口→経営層へ引き上げる基準(暴力・脅迫・長時間拘束・執拗な反復・SNS拡散・金銭や土下座の要求)。警察・弁護士・産業医への連携タイミング
- 企業間取引:取引先へのカスハラ禁止(自社が加害者にならない行動基準)と、取引先から受けた場合の対応
- 法的根拠:威力業務妨害罪・強要罪・脅迫罪・恐喝罪・暴行罪・傷害罪・名誉毀損罪・侮辱罪・不退去罪・器物損壊罪の条文と法定刑、安全配慮義務(労働契約法5条)、NHKサービスセンター事件
- 心身のケア:上司・窓口による声かけ、産業医・EAPの活用、二次被害の防止、休職・配置転換
- 記録・報告:何を・どこに・いつまで残すか。証拠(録音・書面)の保全方法
- 見直し・改定:改定日、見直しの周期、周知の方法
各章で失敗しやすいポイント
定義が抽象的
「理不尽な要求」だけでは現場が判断できません。要求内容が妥当かと手段・態様が社会通念上相当かの2軸で、業種の実例(介護なら「深夜の呼び出し要求」、小売なら「返品要求の反復」など)を添えてください。
話法が1段階しかない
最初から毅然とした対応をすると、正当なクレームを持つ顧客との関係を壊します。丁寧→毅然→法的警告の3段階と、切り替えの基準(回数・時間・行為)をセットで書きます。
エスカレーション基準が人任せ
「必要に応じて上司へ」では動きません。「30分を超える拘束」「暴力・脅迫の言動」「3回目の反復」のように、数字と行為で書きます。
テンプレートを自社用にする最短の方法
弊社のサービスでは、業種と会社情報を入力すると上記13章をAIが生成します。生成された章を自社の実情に合わせて修正し、改定日を入れて周知すれば、義務化の「方針の明確化」と「対応手順」の要件を満たす文書になります。
無料の義務化チェックリスト(3分): 法律が求める4つの措置に対して自社に何が足りないかを10項目で確認し、結果を印刷・PDF保存できます。→ [cushara.jp/checklist](/checklist)
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法的助言ではありません。制度の内容・施行時期・要件は改正や運用により変わることがあります。実際のご対応にあたっては、必ず厚生労働省・東京都などの公表する最新の一次情報や、弁護士・社会保険労務士等の専門家にご確認ください。